必中・那須与一宗高 / Hitting the target - Nasu no Yoichi Munetaka

高橋 天山 / Takahashi Tenzan

しずまりかへる屋島の夕、海鳥さへ沈黙。
固唾を呑む両陣営の群兵、すべてが茜に染まる…。勇む駒を海中に乗り入れた与一宗高。いくらか紅潮し、こわばった表情は茜色に染まっているのに青ざめた様にも見える。「必中」だけ祈念して。扇を高くかざした平船と馬上の与一と遥れる波間に両者が同調した!その刹那“よっぴいてひょうどはなつ”
平家物語「那須与一」より着想しました。
後日談さへ詳細に取り沙汰されて来た程、話題性の高い事件であり、千年もの間語り継がれるとは、与一自身も預かり知らぬ処でありましょう。武者絵に取り組む最初としては、贅沢なモチーフ。
歴史画に限らず、絵画の魅力は感情を端的に伝える事に存します。出来る限り要らざる説明は省いて「おもしろいもの」だけで絵にする。師に学んだ日本ならではの造形法を今回も実践してみたのです。

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