はなむけ　/　Farewell gift

本作は友人への「はなむけ」の言葉を描きました。
もともと私は人物の柔らかな身体の線や髪、豊かな表情を描くことに魅力を感じ、人物画を制作してきました。しかし、表面的な造形に囚われすぎると、逆に窮屈さを感じることがあります。
この作品は、そうした制約から抜け出すための試みでもあります。輪郭を曖昧にし、形に囚われないことを意識することで、想いが身体を超えて溢れ出していく様や、内面の揺らぎを表現しました。
激しい感情の高まりと、その裏にひそむ虚熱のような感覚、そんな感情の揺れを感じ取っていただけたら幸いです。