鶴舞う / Soaring cranes

下田 義寬 / Shimoda Yoshihiro

釧路湿原も夢から覚め、山の背をなでる風はまだ冷たいが大地にはかすかにぬくもりが感じられる。古くから霊鳥としてあがめられて来た丹頂鶴のラッパのような声での啼き合いが朝とともに始まる。見えない力につきうごかされるように、鶴の群が高く低く歓びにあふれて大空を悠々と飛ぶ姿は優雅で力強く美しい。江戸時代までは関東の湿原にも生息していたらしいのですが、今や道東の釧路湿原から根室あたりの湿原を訪ねて会えるだけ幸いというべきなのでしょうか。自然に対するおそれを失ってはならないのです。

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