競馬場跡 / Racecourse ruins
小田野 尚之 / Odano Naoyuki
これまで地元の横浜の風景を描いたことが数えるほどしかなかったので、今回は学生時代からいつかは描いてみたいと思っていた旧根岸競馬場の遺構をモチーフに選び、制作にとりかかりました。ところがしばらくして、あるテレビ番組でこの建物が取り上げられ、なんとまさに自分が描いている絵のような構図の昔の写真が映し出されたのです。名の知れた場所とは言えこのタイミングでの残念な偶然に少々がっくりして、さらに「あの映像をヒントにこの絵を描いたと思われたらどうしよう…」という心配事が日に日に大きくなって、人一倍気の弱い私は令和5年の夏を軽い胃の痛みとともに過したのでした。
*作品名、作家名の表記について、webで表示できない文字には常用漢字を当ています。