ユナシリタの予型 / A presage of Yunashirita

平林 貴宏 / Hirabayashi Takahiro

日本画の発展は緩やかで独自なものです。外側にある表現を模倣するのは簡単でも、咀嚼し真の意味で血肉となるまでにはとても長い時間を要します。そのため日本画は今尚二十世紀的な美術の発展のとば口で格闘しているように見えます。思えば大観や春草が色的没骨描法を試した時から、日本画家は未だに鉤勒を越えて形体の外側に出たいという欲望の着地点を探し続けているのかもしれません。私もそのような課題に悩む一人です。

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