光つもる渓 / Valley of light

髙島 圭史 / Takashima Keishi

岩場を登りきってたどりついた立山連峰の雄山山頂から、念願の雪渓を見ることができました。
スケッチのために雪渓の前に座り込むと、巨大な岩々、大量の砂礫、万年雪が作るスペクタクルに圧倒されました。荒涼や寂莫といった言葉を思い浮かべつつ、急に吹きつける強い風や突然に降りだす雹に驚かされると、さらに様々なイメージが呼び起されます。
生命を寄せ付けない環境、地殻変動と気象現象がつくった造形、人間の基準とは遠く離れた時間と空間。地球ではない他の星にも似たような景色があるかもしれないと思い至ると、下山の途は新鮮なものになっていました。

*作品名、作家名の表記について、webで表示できない文字には常用漢字を当ています。