螢・玉鬘 / Tamakazura from the tale of Genji "Hotaru"
高橋 天山 / Takahashi Tenzan
93回院展に出品しました「源氏物語・螢」と題した屏風は、大作として取り組んだ源氏絵の初作でした。初作は螢?と決めつけて取り組んだ勢いは衰えたものの、源氏物語への愛着は益々深まり少しは円満な造形力も身について来て、表現は変容しつつあります。
・・・夕闇の頃も過ぎておぼつかない新月の覗いた空合ひは雲が多くことのほかに忍んで訪れた兵部卿の宮・・・その眼に焼きつけられたのは、この世の美しきモノすべてを忘れさせるほどに美しき、螢火に浮かびあがる玉鬘の姿でした。
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