地域連携教育プログラムにおける松坂屋美術館、キヤノン株式会社(「綴」プロジェクト)との連携活動報告
再興第107回院展名古屋展(2022年11月26日㈯~12月4日㈰)におけるサブイベント
キャノン「綴」プロジェクト×松坂屋美術館×日本美術院連携企画
「つなぐ、にっぽん美術」~「伝統継承」と「伝統刷新」の 2 つの「つなぐ」から日本画を知る~
・地域文化振興・日本画鑑賞及び日本画教育の一環として日本美術院、株式会社キャノンCSR 推進部文化支援推進課、松坂屋美術館協力のもと実践する地域文化醸成のための教育普及活動の一貫。
このたび、再興第107回院展名古屋巡回展での新しい試みとして、綴プロジェクトが制作した高精細複製品を特別展示し、その関連イベントとして初日(11月26日)には講演会、12月3日には子供たちを対象とした日本画体験教室、同月4日の最終日には、古典絵画と現代の日本画をつなぐ作品鑑賞ツアーを開催しました。多くの方々に熱心に参加していただき、地域の若手作家と鑑賞者のとても良い交流の機会となりました。
◇11/26 特別講演『古典から現代へつなぐ、日本画の今』
参加者:181名
講師:中山桜子氏(株式会社キヤノン)、岩永てるみ(特待)、阪野智啓(院友)
特別企画として、「古典月から現代へつなぐ、日本画の今」と題し、株式会社キヤノンから中山桜子様、本院所属作家で「洛中洛外図」の見識の高い、愛知県立芸術大学准教授の岩永てるみ、阪野智啓両先生をお招きして講演会を開催しました。
洛中洛外図に描かれた街並みの、時代による変化についてなど、それぞれの立場から日本美術をつなぐ方法や見識を深め合う内容をご講演いただき、とても充実した講演会となりました。
左より、キヤノン株式会社中山氏、阪野氏、岩永氏
展示中の「綴プロジェクト」洛中洛外図(舟木本)を近くでじっくり観ることができました
◇12/3 体験講座『さわってみよう日本画』(小中学生対象)
参加者:26名
講師:清水由朗(同人 )、永吉秀司(特待)、山口貴士(院友)、玉井伸弥(院友)、宇城翔子(院友)、大村有香(院友)、坂根輝美(院友)、岩田明子(院友)、深見早苗(院友)
昔から今に伝わる日本画材のひとつである岩絵の具ついて学び、それらを活かした描画体験をしました。参加した子供たちは、初めて触れる素材に四苦八苦しながらも地域の若手作家とふれあいながら独創的な作品を作り上げていました。
子供たちの予想外の制作方法に、参加した作家スタッフたちは、とても良い刺激を頂きました。
岩絵の具について、描き方を説明
実際に岩絵の具を使って描く
◇12/4 体験講座『つなぐ、にっぽん美術』作品鑑賞ツアー
参加者:30名
講師:清水由朗(同人)、永吉秀司(特待)、山口貴士(院友)、宇城翔子(院友)、岩田明子(院友)、坂根輝美(院友)、鈴木博稀(院友)、鈴木靖代(院友)、手塚華(院友)、深見早苗(院友)
今と昔の作品について、院展の展示作品と今回特別展示している高精細複製画の「洛中洛外図」をもとに、若手作家と一緒に鑑賞するツアーを実施しました。最初に「洛中洛外図」や日本画の絵の具についての解説を聞き、院展会場を同行する若手作家の作品解説を中心に作品を鑑賞するという形式で鑑賞ツアーを敢行しましたが、鑑賞者の率直な感想や作者の作品に対する思いを伝える貴重な機会として、充実した内容の鑑賞会となりました。
「つなぐ、日本美術」の解説
院展会場の鑑賞ツアーでのひとコマ
「綴」プロジェクトの洛中洛外図を鑑賞