同人推挙式について
10月22日に新たに同人に推挙された二人の推挙式が、11月23日、谷中の日本美術院において、田渕理事長、那波多目代表理事の立ち合いにより執り行われました。
新同人を迎えて 田渕俊夫
この度、日本美術院に山田伸、前田力の二人の同人が新たに誕生しました。日本美術院は同人になるのが非常に難しいといわれています。彼ら二人も大変な努力を積み重ねて同人という地位をつかみ取ったことと思います。これからは日本美術院の経営者として、また後輩へのよき指導者として力を発揮して欲しいと思っています。
新同人へ 那波多目功一
一般出品者にとって同人の地位は憧れの的、非常に狭き門で、ほんの一握りの人しか到達し得ない夢の立ち位置です。
しかしそこに到達したからと云って終着駅ではありません。ここから同人としての一人旅が始まります。
これまでは師や先輩達がいろいろと助言をしてくれましたが、同人になるとそれがほとんど無くなります。自分で判断し、自分で決めなくてはなりません。
例えば作品が悪くてもお世辞に褒めてくれる。対面では褒めてくれても陰では悪口の言い放題、本人は全く気付かない。そのうち知らずしらず別の道をあゆんでいる。つまり裸の王様になってしまいます。
同人とはそういう危険な立ち位置でもあるのです。よほど気を引き締め謙虚に自分をみつめながら歩まねばなりません。同人の心掛けだと思います。
左より、山田伸新同人、那波多目功一代表理事、田渕俊夫理事長、前田力新同人
新同人としての抱負 山田 伸
自身を信じて制作を続けて参りましたが、その方向性は院展に出品する事によって常に修正されてきたという思いがあります。自由であるべき絵画の世界において正しい方向という事自体存在するのかという疑問はありますが作品の質というのは必要であると考えます。それが何でありどのように創り上げて行くのかという点で簡単ではない事は明白であるのと同時に道は遥かに遠いことが認識出来るばかりです。何れにせよ作品の質を上げるには自身の人間性を高める他に手立てはないのであろうと考えます。
今後の絵画制作の追求によりどれ程の作品を創り上げられるかは未知数でありますが真摯に打ち込む所存であります。今後ともどうか宜しくお願い致します。
新同人としての抱負 前田 力
同人にご推挙頂きました事、誠にありがとうございます。
私は、院展の先輩方の背中を追い、目標にして頑張って参りましたが、今後は自分自身がそう思って貰えるような存在になれるよう、身を引き締めて、制作に取り組んで参りたいと思っています。
これまでと同様に、作品に真摯に向き合い、自己を探求し、少しでも良い作品を1枚でも多く生み出せるように努力して参ります。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。