第80回春の院展京都展 ギャラリートーク・講演会のご案内
公開日:2025.06.16
第80回春の院展 展覧会期間中、3人の先生を迎えてお話を聞いて頂く機会を設けました。
それぞれ大学にて専門に研究されている興味深い分野をわかりやすくお話して下さいます。
なかなか聞くことの出来ないお話です。どうぞふるってご参加下さいませ。
ギャライートーク、講演会とも、会場内での開催となります。
- ギャラリートーク 列品解説 「作者のイメージを探す」
7/23 (水) 14:00~ 村岡貴美男 日本美術院同人(京都府出身)
山田伸 日本美術院同人
- 講演会 「岩絵具の秘密は、風土にあり!気候が支えた日本画の世界」
7/26(土)14:00~ 岩泉慧 先生 京都芸術大学講師(京都造形芸大大学院博士号取得)、山田伸 日本美術院同人
日本の地理的特徴と気候が、どのような鉱物資源を生みだし、岩絵具の原料採集にどう影響したのかを解説します。また、多湿な日本の気候が、顔料を定着させるための膠(にかわ)に対してどのような影響を与えたのかも探ります。さらにこれらの画材の特性が、金箔、墨、和紙といった他の日本画の要素とどのように融合し、今日私たちが目にする日本画独自の表現や色彩を形作ってきたのかを、具体的な作品例を交えながらご紹介します。
本講演を通じて、日本の自然環境そのものが日本美術の表現に与えた深い影響力を理解し、日本画の魅力をより一層深く感じていただければ幸いです。
- 講演会 「絵を描くこと、みることの起源」
7/27(日)14:00~ 齋藤亜矢 先生 京都芸術大学文明哲学研究所教授、山田伸 日本美術院同人
人類が絵を描いた最古の痕跡は、旧石器時代の洞窟壁画にさかのぼります。それは、わたしたち現代人ホモ・サピエンス(人間)が誕生してからのことです。そこから約5万年ものあいだ、人間は絵を描きつづけ、描かれた絵に心動かされてきました。絵を描くこと、みること。ふだんあたりまえのようにしているこの行為には、いったいどのようなこころのしくみが関わっているのでしょうか。アートを生み出す人間のこころの基盤について、進化と発達の視点から考えてみたいと思います。
斎藤亜矢先生 プロフィール
京都大学理学部、京都大学大学院医学研究科修士課程を経て、東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。博士。 京都新聞夕刊「現代のことば」(2019年7月~2025年6月)