Q どうやって日本画家としてデビューされたのですか

日本画Q&A

公開日:2021.12.28

A 

 これも私個人(松尾敏男)としての返事です。まだ絵を教えてくれる先生もいませんでしたが、家でいろいろ描いたものを知り合いに紹介してもらった町の無名の画家の人に見てもらいました。その人から「絵描きは死ぬ時は乞食の様に恵まれないまま死ぬ覚悟がいりますよ。」と言われ、その覚悟はありますと言いました。好きなことをして一生を過ごせるのだからお金とか社会的な高い地位の様なものはいらないと思っていました。幸い美術雑誌で見て好きだった作品を描いた先生の弟子にして頂くことが出来ました。十七才のときです。そして、その先生に描いた絵を持って行っては教えて頂き、弟子になって七年目、昭和二十四年(1949年)の院展に初入選することが出来ました。