院展出品で印象に残ること 大野 逸男
院展出品はいつも、自分自身に対する不甲斐無さを感じるものになってしまいます。表現したいものの不徹底さの為です。
これ迄、数十回出品してきましたが、まあまあかなと思ったのは、春の院展、再興院展合わせて数点です。それは目標がこれなら描き切れると思ったものだけです。中途半端な淡い期待を持ったものはダメでした。
いわゆる頭が悪いので、その様な作画態度を続けてしまうのです。耐久力はつきました。だが切り口が明解な仕事を続けていますと、どんどん洗練されます。なぜか洗練が進みますと軽く浅いものになりがちです。諸刃の剣と言いますが、その点を注意して仕事をしてゆきたいと思っています。