初入選の思い出

興第41回日本美術院展「礼拝」写真マーク
(取材地―長崎、大浦天主堂)
 東京芸術大学三年生の時、友人の実家のある長崎を一緒に旅行した事があった。その折見た大浦天主堂の内陣の美しさに強くうたれて、東京に戻っても忘れられず迷わず卒業制作のテーマに選んだ。しかし天主堂は国宝に指定されていて、簡単には写生ができない。そんな事を日本美術史担当の故脇下十九郎先生にお話したところ、先生の親しい友人が大浦天主堂にいると言う事で早速に紹介して戴き、一週間程堂内に籠って写生させて戴いた。その折写生したものが卒制及び初入選の出品画となった。卒制は祭壇を、初入選の作品はお祈りをしている人物を中心に描き、人物は後輩達にモデルになって貰って大変助かった事が思い出される。初出品という事で、何も知らず怖いもの知らずで幸にも入選はしたものの、展覧会当日大先輩達の作品と自分の作品を比較して、院展の凄さを思い知った次第である。