小倉遊亀先生「童女入浴の図」大正14年
家の外側と内側の差のない当時の浴室は寒くて薄暗かったと記憶しています。お風呂場の湯気と木製の湯船の感じの表現が素晴らしいと思います。そして、お風呂場でお湯につかった時の「ホッ」とした少女の表情にまるで、自分がお風呂に入ったときのようなリアルな感じがします。
小倉先生の作品には「全く、その通り!」といわせる対象物への観察力の鋭さに感服させられます。この作品を見ると、日本画の原点を見るようで、目が離せなくなり時間が経つのも忘れていつまでも見入ってしまいます。